Our Story
古代ロマン薫る 青ナイルへ
2005年、北大探検部という部活に所属していた大学生の私は、通称ダッキーと呼ばれるインフレータブルボートを背負って、川下りのため単身アフリカへと旅立ちました。
目的地はアフリカ北東部、エチオピアの青ナイル川。
青ナイルは、アフリカ大陸の中でも目立って高く隆起したアビシニア高原を深く切り裂く大渓谷です。
ギリシャの歴史家ヘロドトスをして「エジプトはナイルの賜物」と言わしめた恵みの洪水は、主にこの青ナイルの源流であるエチオピアの雨季の降雨によりもたらされました。
この歴史ロマンあふれる川を下るため、私はそれまで感じていた「川下りとは旅である」という思いを胸に、ナイル川の下流域から旅行を始めました。
エジプト、スーダンと陸路、フェリーをつないでナイル川を遡り、途中ハルツームという町で青ナイルと白ナイルの合流部に触れ、デコボコ道をピックアップトラックの荷台で跳ねながらエチオピアに入国しました。
やっとたどり着いたエチオピアの地で、青ナイルを目指した中での様々な出会いや出来事の末、結局私がダッキーで下った川は青ナイルではなくアワシュ川という別の川でしたが(これはこれで面白い川なのです)、ともかくそれは何物にも代えがたい素晴らしい旅でした。
(河原で出会った人々、滝だ!危なかったー!、ダッキーに群がる村の人々)
背負い続けたフネという重荷
ところで、私がずっと背負って旅をしていたダッキーとは一体どれくらいの重さのものだったでしょうか?
答えは約15キロです。
それでも、比較的コンパクトなタイプの一人乗りで、大きな方ではありません。
それにキャンプや旅の道具を含めたら30キロくらいはあったと思います。
旅の道中、それは大変な重荷でした。
おかげで、行く先々で話のネタには困りませんでしたが、普通のバックパッカーの2倍位はあったのではないかと思います。(特大フレームザックの下半分がダッキー)
「このフネさえ軽ければ・・・」
半年に及ぶアフリカ旅行で何度こう思ったか分かりません。
しかしこの時、私はまだパックラフトという言葉すら聞いたことはありませんでした。
夢のフネ、パックラフトとの出会い
その後、仕事や子育てに追われ10年以上が経ち、初めてパックラフトを知ったのはつい最近のことでした。
その異次元の軽さに対する衝撃は今でも忘れられません。
「か・・・軽い!!あの時これがあったなら!!」
でも、同時にこう思いました。
「いや、今からでもこれがあれば何かすごく楽しいことができるに違いない!!」
かつて青ナイル川に冒険の夢を見た大学生は、もう子持ちのオジサンになりました。
しかしそんな自分でも、パックラフトがあれば、もっと気軽に子供たちを大自然に連れ出したり、仲間と川下りをしたり、自分だけの釣り場を開拓したり、理想の川旅を追及したり・・・
パックラフトに出会って、そんな夢が膨らみました。
BLUE NILE GEARの夢
今、世の中は楽しそうなもので溢れています。
でも、どこか物足りないと感じることも多い気がしています。
それは、その楽しさが、誰かに用意された、与えられた楽しさだからかもしれない…と思っています。
一方、パックラフトは、自分の楽しみを自分で探し、育て、追求するための道具です。
言い換えれば、パックラフトは可能性の道具と言えるかもしれません。
パックラフトを使ってどこで何かできるのか、それを探すところからがスタートです。
なんだかワクワクしてきませんか?
BLUE NILE GEARの夢は、近所の小川から世界の大渓谷まで、パックラフトを通じたあらゆる創造的楽しみを応援することです。
そして、売り手の私たち自身も最良のユーザーの一人であるべきだと考え、様々なことに挑戦していきたいと思います。
「さあ、あなたもお気に入りのパックラフトで自由と冒険の旅に出かけましょう!!」
店長 香本