スケグについて
ツーリングにおススメのスケグ (比較動画あり)
パックラフトご注文時に、特にお問い合わせ・追加ご注文の多い「スケグ」。
実際に付けたらどうなるのか、気になっている方も多いと思います。
結論から言えば・・・
穏やかな川や湖など、ツーリングやのんびり系パックラフティングなど、
ホワイトウォーター系ダウンリバー以外の目的があるなら
迷わず付けるべーし!
という訳で、2022年6月よりExplorer Seriese、Traverse Seriesは・・・
スケグが標準装備となりました!!
以下、解説です。
スケグとは
スケグとは、舟の底から飛び出した魚のヒレのようなものです。
(写真の取り付け部のシートは自作だったので前後に分かれています。デフォルトは一枚ものです。)
パックラフトの場合、写真のようなプラスチックの“ヒレ”を、張り付けた差し込み口付きのシートで固定します。
差し込むだけなので、たたむときや不要な場合は外せます。
ちなみに、この取り付けシートは製造元の工場でガッチリ取り付けてもらいます。
Whitewater Seriesのみスケグを標準装備としていませんが、ご要望があれば同様に製造時に取り付けさせていただきます。
(アクセサリーより購入いただきご自身で取り付けることも可能です)
スケグの効果
スケグの効果は、舟の直進性の向上です。
百聞は一見に如かず、ということで以下2つの動画をご覧ください。
一つ目がスケグなし、2つ目がスケグありで、漕ぐ力は同じです。
(比較のため、最も回転しやすいニンバス180を使用)
スケグなし。左右のブレが大きい。
スケグあり。左右のブレが小さい。
直進性の向上 = スピードアップ・楽
スケグをつけると、動画の通り、同じように漕いでも左右のブレがかなり抑えられました。
そして、スケグなしでブレとして失われていた力は、スケグありでは前に進む力へと変わっています。
そのため、同じ力で漕いでも、より前に進むことができます。
結果として、進むスピードが速くなるので、スケグ=スピードアップという解説もあるようです。
そして、同じ距離を漕ぐのがとても楽になります。
細かい話…
パックラフトは、構造上、直進性に寄与するキールがありません。
要は船底が平らでツルツルということです。(佐渡のたらい舟みたいな感じ)
キールとは、船底に縦に伸びる出っ張った構造です。
リバーカヤックではものによりますが、シーカヤックなんかは結構しっかりキールがついています。
船底が平らで、しかも舟の長さが短いと、漕ぐ力のある程度は、舟を回転させる力となってしまいます。
前進するのが目的としたら、エネルギーの損失が生じているわけです。
これはどの舟にもあることですが、目的に沿った直進性と回転性のバランスを得るために舟は様々な形をしています。
パックラフトの場合、チューブ状の風船的な構造で形を作らなくてはいけない制約があるため、上述のような理由で、直進性<回転性に大きく傾いたバランスのモデルが多いです。
言い換えると、他の舟と比べ、目的地に向かうためのパドラーのエネルギーを大きく損失しているのです。
特にフロアに穴のないセルフベーラーでないモデル(ホワイトウォーターモデル以外)でその傾向が顕著です。
その回転(左右へのブレ)で失われる力を直進する力に変える。
それがスケグの効果なのです。