男鹿半島パックラフトセーリングの旅 その5(3日目、最終日)

風の力で海を旅したい!!

何度かのテストを重ねてきたセーリングキット(テスト1海テスト2川)。
今回は、試作品作製のきっかけとなるそもそもの素敵な活動イメージ、パックラフトセーリングでの海旅に挑戦してきました😎

場所は男鹿半島西岸!
2泊3日ののんびりツーリングです⛵️(6月下旬)

ここまで計画準備初日キャンプ、順調にセーリングができた2日目(前半後半を経て、
いよいよ最終日です!

<使用パックラフト>
静水でスピードの出るシャープなタンデムパックラフトAlbatrossです。
当初モデルから、若干改良があり、海でも安心な2気室とすることが可能になりました。
セーリングをする場合、バウ・スターンへのスケグの取り付けオプションがおススメです。
packraft sailing

5.最終日

落石

コーン!コロコロ・・・

背後の断崖からの音で目が覚めました。

落石??

男鹿半島 パックラフト 崖

寝転がったまま、目を開いて崖のほうを見上げると・・・
何か黒っぽいものが一瞬見えて、すぐに林の中に消えていきました。

何か動物が崖の上から怪しいキャンパーの様子をうかがっていたのかもしれません。
ちょっとうれしいモーニングコールです(笑)

さて、目が覚めたら、焚火を復活させて、お茶を淹れます。

男鹿半島 パックラフト お茶体を温めて、今日一日の計画をおさらいです。

向かい風

男鹿半島 パックラフト 朝の浜辺

本日も快晴。
どんな一日になるのでしょうか。

そういえば、今日は帰りの飛行機の時間を気にしなくてはいけません・・・
が、ここで嫌な予感・・・

風が向かい風のようです・・・(進行方向と斜め逆向き)
潮の流れも昨日に引き続き逆なので・・・これは辛い・・・

今日は頑張って漕がないといけないのは間違いないけど、
頑張っても時間との戦いがどうなるのか・・・飛行機なので心配です😅

どうなることか・・・

でも散策はしたい

帰りの時間は気になるものの、せっかくなので、早めに飯と片づけを済ませてちょっと石拾い。

男鹿半島 パックラフト セーリング メノウ

男鹿半島 パックラフト セーリング メノウ2
男鹿半島 パックラフト セーリング ハート

縞々が美しい大きなメノウや、またもハートマークの石などを拾いつつ、ついつい端から端まで浜を歩いてしまいました。

なんだかんだで気が付けば結構な時間がたってしまいました😅

でも朝が早かったので、8時半ごろには出発できました。

孔雀の窟(こうじゃくのいわや)

キャンプ地を出てすぐのところが孔雀の窟という名所です。

断崖絶壁や入り組んだ地形から、海賊が隠れ家にしていたとかなんとか・・・
ほかにも色々と伝説があるようです。

まずは崖の下に大きな海食洞が目につきました。
とりあえず入ってみます。

男鹿半島 パックラフト セーリング 洞窟

洞窟の奥は光が届かず不気味な暗闇で、逆に水面下には光が通りかなりの水深があることがわかります。
一人で進むにはちょっと気味の悪い・・・海賊の逸話も納得の雰囲気です。

奥にはまたコウモリのコロニーがありました。
鳴き声がさらに雰囲気を高めています・・・😅

男鹿半島 パックラフト セーリング 洞窟2

探検部魂で洞窟の最深部までは確認しましたが、なんとなく落ち着かないので、静か~に洞窟を脱出しました😂

せっかくなのですぐに沖へ戻らず、水路状の地形を進んでみます。
これは通過できるのか?それとも行き止まりか??

男鹿半島 パックラフト セーリング いわや
(地理院地図より)

半信半疑で進みましたが、しばらくすると地形が開けて、地図通り岩場の反対側へ通過することができました。

向かい風でセーリングはどうなのか??

さて、沖に出たらいよいよ頑張って進まなければいけません🙄

本来、ちゃんとしたセーリングならば、向かい風でも斜めにジグザグ向きを変えながら(タッキング)風上方向へ進むことができます。

ただ、現状のセーリングシステムには、センターボードなど大事なものが欠けているため、それが難しい・・・

とはいえ、前日はほとんど漕がずにここまで来れたこともあり、向かい風の中でもセーリングを試してみました。
とりあえず、ダイレクトに進めないだろうなとは思いつつ、沖へ岸へジグザグと・・・

ジグザグと・・・

・・・うん、全然進んでない(笑)

行きたい方向へは、進む力と押し戻される力が同じくらいということでしょう。
頑張ってパドルで漕ぐしかないってことか・・・

しかし、風と潮に逆らって、というと、パックラフトではなかなか大変な一日になりそう・・・

いや待てよ・・・西海岸南端部まで行けば、進行方向が90°変わるんだった。
風は南西の風。
ということは、後半は斜めの追い風になるってことだ。

そこまで何とか頑張ろう!

さらばアクションカメラ

やる気を出してパドリングで進み始めたそんな矢先です・・・

チャポン!・・・??😨

なんとなく、嫌な予感のする音でした・・・
音のした方を振り返ってみると・・・

ひぇ~~~!!😱
棒の先っぽに、さっきまであったアクションカメラがついてない~~~!!

水中を覗くと、カメラがひらひらと沈んでいくのが見えました😱
今ならまだいけるかっ😣
と、海に飛び込みます😂

しかし、とっさのことで水中眼鏡もつけていないし、無謀でした・・・

カメラに手が届かないまま、苦しくなって浮上😭

舟の上から確認すると、水深は数m。
普段の素潜りの深さを考えれば、届かない深さでもない感じですが、今回は足ヒレがありません😞

それでもあきらめられず、水中眼鏡で捜索することに🏊🏻‍♀️
(ちなみに、長い自撮り棒の先端にある金属部が折れていました・・・なぜ😢)

潮は北へゆっくり流れています。
潜っている間、舟が流されないように近くにある岩礁に舟を係留することにしました。
あまり潜りに夢中になって、岩礁に体一つで取り残されたらそれこそ大惨事👹
いったん冷静になってしっかり係留・・・
と言いたいところだけど、なかなか条件のいい形状が見当たりません。

しかも岩礁は鋭いフジツボだらけ・・・😰

それでもなんとか係留し、水中へ🧜🏻‍♂️

うーん、落ちていそうな水深はギリギリ潜れるレベルだけど、とにかく海藻の密度がすごい・・・

何度かトライしましたが、結局諦めました😭
万が一、舟が流されてしまったら、それこそ取り返しがつきません。

さて!気を取り直して、前に進みます!😭
しかし、それなりの時間とエネルギーをこの件で消費してしまいました。
そういえば、飛行機の時間、大丈夫かな??と嫌な予感がし始めました😅

漕げども漕げども

あ~~~、進まない・・・

西海岸南端部までは約4㎞。
そんなに遠くじゃないんだけどなぁ・・・・

それなりに頑張っているのですが、前日の半分ほどの速度しか出ていません😅

気が付けば、景色を楽しむ余裕を失っていました。
いかんいかん😅
はるばる来ているんだから、この状況を楽しまなくちゃ。

男鹿半島 パックラフト セーリング 崖2

男鹿半島 パックラフト セーリング 崖3

周りを見れば、ダイナミックな岩の彫刻です。
溶岩や火砕流でできたものでしょうか。

遠くに落差のある滝が見えてきました。

男鹿半島 パックラフト セーリング 滝
門前大滝です。
これが出てくれば、昨日からの峻険な地形ももうすぐ終わりで、集落や港が近いです。

セーリング復活!

大滝あたりから、風に対する角度も向かい風からほぼ横向きの風に。
ここから先は徐々に風の条件がよくなっていく予定です。
ということで、セーリングを再開。

やはりセンターボード等がないため横滑りはしますが、精神的にはかなり楽になりました。
ラダーをこまめに入れながら、軽く漕げばそこそこ進みます。

男鹿半島 パックラフト セーリング 再開ホッとしました

ゴジラ岩で有名(?)な潮瀬埼が見えてきました。

男鹿半島 パックラフト セーリング ゴジラ岩
あ、ゴジラ!確かに!

ここを超えれば、やや斜めからの追い風になります。
セールが力強くはらんできました!

潮瀬の釣り人たちに手を振って、次の館山崎へ一直線に進みます。
時計を見ると、〇〇時。

今すぐ上陸して最寄りバス停に向かえば何とか予定していた男鹿駅行きのバスに乗れそうですが・・・
館山崎にはどうしても行きたかったのでパス😌

でも、館山崎まで進んで上陸したら、ちょっとバスは厳しそうです😅
・・・ちょっと迷ったけど、館山崎まで頑張ってみることに。

そして、すぐに後悔しました。
バスには絶対間に合わない!!

グリーンタフ・オブ・ザ・グリーンタフ

セーリング+パドリングで館山崎へ到着!
先端を回ると、お目当てのものが見えてきました!

男鹿半島 パックラフト セーリング グリーンタフ

上陸!

男鹿半島 パックラフト セーリング グリーンタフ2

どどーん!青い!!いやー、どうですか😆

そうです。これが、今回の旅のゴールと想定していた館山崎のグリーンタフです😄

ずっとこれに会いたかったんですよ!
うん、満足!!

風だ!

さあ、グリーンタフも見れたし、もう思い残すことはありません。
あとはゴールに向かって一直線です!

・・・が、そのゴールをどうするか、それが問題です🙄

館山崎のバスはすでに行ってしまいました。
そして、次のバスでは全く飛行機に間に合いません。

バスに頼れないということは、パックラフトと徒歩しか移動手段が残っていません・・・
となれば、徒歩よりパックラフトのほうが早いので、行けるところまで海を進むべし🔥

覚悟が決まれば後はやるだけ。
ここから先はほぼ追い風で、風速も安定して3m/sくらい。
セーリングのコンディションとしてはばっちりです!

ただ、少し進んだ感じでは、電車の時間に間に合わせるためには、どうもセーリングだけでは足りそうにありません。

風と自分の力を合わせてバリバリ進みます。
ラストスパートです!
(ここでカメラが電池切れしました😅

鵜ノ崎海岸 (鬼の洗濯板)

館山崎から鵜ノ崎までは、時間を考えて沖をショートカットです。
セーリングも今日一番という位に順調に進んでいます。
結果的に、歩いて進むよりはよかったと言えそうです。

鵜ノ崎が近づくと、沖の方まで海上にぽつりぽつりと岩が出ているのが見えました。

鵜ノ崎は男鹿半島の名所のひとつで、いわゆる「鬼の洗濯板(ここは曲がってるバージョン)」と呼ばれる地層が作る遠浅の海岸です👹

男鹿半島 パックラフト セーリング 鵜ノ崎鵜ノ崎海岸(縞々が分かりますか?? グーグルマップより)

交互に堆積した硬さの違う地層が浸食されて凸凹しているため、潮位次第で洗濯板の上を通過できるか、水深のある沖を回らなければいけないかが決まりそうです。
特にここは、地層の方向的に洗濯板の高い部分を何度も乗り越えないといけないので、潮位+海況次第で、特に座礁に弱い舟は沖を回った方がいいと思います。

パックラフトに関しては、多少底を擦る位なら問題ないので、今回の潮位ではギリギリ通過できる水深と判断し遠浅の洗濯岩ゾーンに突入しました。

結果的には、何度か底を擦りつつも、洗濯板の凸部の切れ目を通過するなど、できるだけ舟にダメージのないルートで無事通過することができました

急いでいただけにショートカットできてホッとしました😄

上陸!!!

さて、鵜ノ崎を越えるとはるか先に石油の備蓄基地が見えてきます。

地形図で改めて確認すると、これを越えてまでパックラフトで進むのは得策ではなさそうです。(楽しくもなさそう)
ということで、備蓄基地ギリギリの浜の端に上陸することにしました。

鵜ノ崎からその場所までは、ドンピシャの追い風!
ラストスパートです。
短い距離ですが、ぐんぐん進んでいきます。

風に乗って、気持ちいい~!!
ずっとこうして進んでいた~い!!

と思ったころに上陸地点に到着😆

最後は早かったなーと思いつつ、時計を見るとすでに午後2時45分!

ゴールの余韻に浸っている暇は全くありません😂
超特急でパッキングです。

さて、パッキング終了から電車の時間まで残り30分、ここから男鹿駅までは約2.4km!やばい!!😂

途中ちょっとした坂がありますが、ゆっくり歩いている暇はなさそうです。
飛行機に送れるわけにはいきません!

走るしかない!

ひぇ~・・・坂がつらい・・・!
ほんとに心臓が爆発するかと思いました😫

すれ違う人たちも心配そうなまなざしでしたね😅

そして・・・なんとか時間内に、男鹿駅到着です。

とりあえず電車に飛び乗って、やっと一息😫
間もなく電車が出発し、男鹿半島が遠ざかり、八郎潟の際を抜け・・・

やがて呼吸が落ち着くと旅が終わった実感が湧いてきました😌

おわった・・・
2泊3日の間、色々な景色や出来事がありました。
一人で少し寂しいときもありましたが、素晴らしい時間を過ごすことができました👹

ありがとう男鹿半島!さようなら!

(今後の課題)

さて、男鹿半島パックラフトセーリングの旅はいかがだったでしょうか?

タンデムパックラフトに荷物を積んで、全体としてはのんびりと、大自然を満喫することができました。

しかし今回、やはり試作段階のセーリングの課題があぶり出されました。

まず、セーリングシステムとしての不完全さです。センターボードやラダーはやはりあった方がよいですね。

そして、セールの大きさももう一回り大きくして、もう少し馬力が欲しいところです。
せっかくセーリングをするなら、もっとスイ~っと進みたいなと思いました。

またぼちぼち、そのあたりの課題とも向き合ってみたいと思います。

ではでは~!

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