飛騨川 中山七里 ダウンリバー&電車リターン

ホワイトウォーターでスプラッシュしたい!!

パックラフトの代表的な楽しみ方といえば、やっぱりホワイトウォーター!

どんぶらこっこと大波を越え、沸き立つホールと突っ込む興奮は川下りならではですね!

というわけで今回は、前回の金木戸川から一週間後、せっかく用事で岐阜まで来ていたので、梅雨明けからひと段落した飛騨川に行ってみました。

下った範囲は、JR下呂駅~焼石駅間。
中山七里と言われる区間で、約20㎞、6時間弱の川下りとなりました。

水量は、下呂市の南、白川口で0.90mとまだ増水が治まりきらない、やや多い状況。
車で何カ所か覗いた感じでは、かなり期待できそうです!
(ちょっと写真で見えてないですね・・・)

ちなみに、こちらが梅雨前の渇水状態。白川口0.50m前後です。

この水量だと、所どころ歩かないといけないかもしれないですね。
水はきれいなので、ツーリングならいいかもしれません。 

JR下呂駅スタート

国内有数の温泉地、下呂温泉。
旅の始まりは、下呂駅前の有料駐車場に車を停めて、飛騨川河川敷まで徒歩10分弱。


(今回も自転車は関係ありません)

パックラフトや着替え一式をザックに背負って歩きます。

河川敷についたらインフレーション。

この日はどこからでもスタートできそうでしたが、水量が少ない場合、スタート地点は少し下流になるかもしれないです。

ちなみに、今回使用したのは、セルフベーラーパックラフトGulkhaGulkha jr.の2艇。
特徴は一体型のインフレータブルフロア
従来の軽さに、船体の硬さをプラスした、ホワイトウォーターを楽しく攻めれるパックラフトです!

 

さて、市街地を抜けるまで、河川敷には部活動の学生など、朝活の人たちがちらほら。
「何だあれは?」という目で見られます。
笑顔で手を振りましょう!

川はしばらく南へ進みます。
スタートから5㎞程にある支流竹原川との合流部付近で、川は大きくカーブします。そこまで大したものは無いかなと思っていたんのですが、案外そうでもありません。

河鹿橋大橋~帯雲橋までは、心の準備もないまま、大きな波に襲われました。
やっほいやっほい!しぶきを受けて目が覚めます。
さあ、これからだ!という感じがしてきます。

中山七里 突入!

帯雲橋を越えると、とうとう中山七里に入っていきます。

中山七里・・・なんとなく素敵な女性をイメージしたあなた・・・同類です(笑)

地質的には(実は専門分野・・・)、濃飛流紋岩という超巨大な火砕流の冷え固まったカッチカチの岩盤が分布しています。
屏風岩に代表される中山七里のダイナミックな景観はその強固な岩盤が作り出したんですね。
そして、その硬さが所々で川幅を狭め、川下り的にもダイナミックな流れを演出してくれるわけです。

楽しい川下りは大地の恩恵ですね。

さあ始まりました。中山七里突入です!

いよっ!待ってました!スプラッシュ!!

いい感じの瀬が断続的に現れます。

ある程度見通しのいいところでは、パックラフトの上で膝立ちして、先々のルートを決定します。


(写真撮り忘れたので、別の時の写真です・・・)

この膝立ちスカウティングができるところは、セルフベーラー艇の特筆すべきメリットです!
距離の長い川下りでは、上陸回数の違いでトータルの時間に結構差がでます。

そして、これは!!?というところでは、やはり上陸してスカウティング。
流れや、ホールの状況を確認し、どんなルートをとるかじっくり考えます。

ちなみに、ここでちょっとひねくれたルートを行ってみようと考えてみたんですが・・・・
行ってみると、全然違うイメージになっちゃって・・・なんだかしょうもない感じに沈。
まさに策に溺れるとはこのこと・・・

あーあ。こんなことなら、ホールのど真ん中に突っ込んじゃえばよかった()
これが今回、唯一の沈となりました。(振り返るとより悔しい・・・)

で、でも・・・まあまあリカバリーは早かったかな・・・(^▽^)/

この水量だと、普段はトロ場かなというところも、ぼちぼち流れていたり、思わぬところに強いボイルが発生していたり、それなりの緊張感があります。

前方確認よーし!で行きましょう。

「右寄りから真ん中へ抜けて、カーブの裏で右岸のエディーにはいろうか。」などと言っているところです。

人工物(釣鐘付近)

少し進むと谷が開けて、眺めた先の川の中に人工物らしきものが見えてきました。
とりあえず上陸して、スカウティングです。

危険個所を把握し、流れを読んで、人工物を避けるルートのイメージをしっかり作ってから突入します。

国道に釣鐘園という食事処があるあたりで、道路から降りられる小道があります。

他にも、川中の巨石で流れが複数に分かれていたり、高低差があったりして、ある程度歩かないと全容が分からないようなところがちらほら。

やはり川下りは、しっかりと岩場を歩ける靴がおすすめですね。
ちなみに私はモンベルの沢用フェルト地下足袋がメイン。
でも、ここならラバーソールでもよかったですね。

ちなみに、沢足袋は、形的に靴よりもバタ足力が高く、再乗艇が楽な気がします。(気のせいかも・・・)

 

さーてどこから行きましょう。
ど真ん中オラオラルート、リスク回避ルート、テクニカルなルート・・・

流れを読んで、ルートを考えるのも川下りの大きな楽しみの一つですね!

その次の瀬では、よく見えていなかった斜めのストッパーウェーブにはじかれて、ぎゅぎゅぎゅーっと横滑り。

普通にミスってるんですが・・・まぁ、なんとかなったからよし(^▽^)/

大岩壁屏風岩

昼近くになって、コース終盤を告げる屏風岩が見えてきました。

 

これがなかなかお見事。

今はいい国道がありますが、これほどの岩盤の直下に道路を通すのは大変だっただろうなぁ・・・
先人の苦労を偲びましょう。
(近くには昔の素掘りのトンネルがあるそうです。)

屏風岩の下で、飛騨川は大きく湾曲します。
そのカーブの内側は大きな河原です。
ちょうど12時近かったので、ここで昼休み。
総じて石がでかくて、座るにはいいですが、寝転がるにはいまいちです。

カンカン照りなので、破裂防止のためパックラフトから少し空気を抜いて休憩しました。

飛騨川は基本的に道沿いですが、ここなら国道から見えない場所もありそうなので、キャンプ地としてもいいかもしれません。

ただし、大増水しているときは中州になるところもあるので、天気・水量等、色々注意しましょう。

一通り付近を散策したら、出発の準備です。
舟を水で冷やして、ポンピング。

ところで今回、TIZIPなしのフネで来たんですが、快適さだけでなく、パックラフトの性能を生かす意味でもやはりホワイトウォーターはTIZIP付がいいです!
これは前回活動との比較で強く感じました。

ゴールはもうすぐ!!

さて気合を入れなおして出発です。

(でも、おひるごはん足りなかったのよね・・・)

さて、ゴールも近いですが、この後もある程度の間隔で瀬が出現します。

岩でルートがある程度限定されてて、本流ど真ん中から行けば巨石に直撃かも・・・ちょっと厳しいかなぁ・・・

そんな時はあっさりチキンルートで危険を回避しましょう!

動画のように、時々JRが川を横切ります。
ここは何もないですが、川の真ん中に橋脚(橋を支えている柱)が突き刺さっている場所があります。
よく見えているものですが、かならず回避するように気を付けたい障害物です。

ヘルプ!!

ラストに近い瀬では、相方が転覆!(本日2度目)
本日のクライマックスでした!

前半はクリア!
そして後半!!

ひと波越えて前方確認。
そのまま行くと危ないかも・・・という感じがして、端からそろそろと岩を回避していると・・・
あれ?舟が逆さま!! レッツ、れすきゅ~!!

今回は直接フネで寄って行って、人と舟を回収し、再乗艇のヘルプをしました。

ちょっとしたヘルプのコツですが、仲間が再上艇するとき、乗り込む逆サイドを抑えてあげると少し楽に、早く乗れます。パドルを持ってあげるとさらにグーです。

仲間を助け方は、ケースバイケースで色々なパターンがありますが、無理のない方法でスムーズな再上艇を助けてあげましょう。

再乗艇の練習

再乗艇・・・できるだけスムーズにしたいですよね。
先ほどの沈からの流れで、トロ場で再乗艇の練習をしました。

セルフで再乗艇できるできないかは、ホワイトウォーターに挑戦できるか否か、という大切な技術です。

トロ場で出来なければ、流れの中ではとても無理なので、まずは安全なところでしっかり練習をしましょう。

川下りでは、必ず流されることを想定していなければいけません。

そして、川では放っておけばどこまでも流されてしまうため、
「まずは自分で何とかする」
ということが極めて大事です。


ホワイトウォーターを下る場合、再乗艇はチームへの参加資格の一つと言っていいと思います。
その上で、実際には仲間と助け合って、より安全に遊べたらいいですね。

ゴール JR焼石駅

ゴールの少し前に、発電所の放水孔があります。

くりぬかれた岩盤の奥から、結構な勢いの流れがきつい角度で合流するので、不用意な突入すると横っ腹を殴られてひっくりかえると思います。慎重に切り抜けましょう。

それを越えればゴールは目の前。
大きな河原が見えてきます。

それほどしっかりしたエディーがないのですが、カーブの終わりの流れの緩いところで上陸すると、片づけをするのにちょうどいい草地がありました。

いやー終わったー!
ゴールの余韻。

興奮してついつい饒舌に振り返りトークをしてしまいます。

全体を通して、増水のせいもあるのか、ある程度岩が隠れてそれほどテクニカルな場面はなく、大きな障害物さえ気を付けていればだいたい本流に乗るのが正解という瀬が多かったように思います。

また、瀬はとぎれとぎれで、どこもある程度トロ場を挟むのですが、流れ自体はずっと早かったので、素早い再乗艇は必ず必要だと思います。

電車リターン

さあ、お帰りはJR焼石駅から。(無人駅)
ゴール地点から徒歩5分での好立地です。

駅には自動販売機があるので、飲み物が尽きても安心!

ここで、電車で帰るときの注意点。

濡れ物入れと乾いた履物を忘れないように!!

電車の中で、足元がびちょびちょしていると、誰かに迷惑をかけてしまうかもしれません。
(実際辛いのは人の目かもしれないですが・・・)
スタート前にしっかり確認しましょう。

下呂駅へは一駅なので、あっという間です。
車窓から川を眺めて、
「あそこが面白かった」とか「沈したのあそこだね」などと振り返るのもなかなか乙なものです。

電車リターン、お勧めです!

 

さて、飛騨川中山七里、いかがだったでしょうか?

ホワイトウォーターへの挑戦は、安全のため、ある程度の技術とチームが必要ですが、安定性の高いパックラフトなら技術的なハードルは比較的低いです。
これから始める人には、まずはいわゆるアウトフィッターさんで講習をしてもらうことをお勧めします。
ぜひ、段階を踏んで技術を習得し、興奮のホワイトウォーターへ漕ぎだしましょう!!

コメントを残す